象引きものがたりの素案がでてきました
20年ぐらいまえになるでしょうか、家のなかに「象引き物語(作 ぶうち古谷)」の素案みたいな文章が見つかりました。今日はそれを紹介しますね。
大正3年10月15日、当時、本町の大阪府博物場の中にあった動物園(当時は動物檻とよばれてた)を大阪市が譲り受けて天王寺公園に引っ越しすることになった。他の動物は大八車にオリごとのせて運んだが、図体の大きい象だけは引っ張っていくことになった。
ところが象は引っ越しを拒否して動かなかった。
「どうしたものか・・・」天王寺動物園の林佐市園長が頭を抱え込んだ。
そこにあらわれたのが、天満の天神さんで毎年行われている「力くらべ大会」力自慢の男たちやら、大阪相撲の関取衆がやってきて、象を動かそうとするも、押せども引けども動かない。
谷町に商売をかまえていた東西屋(チンドン屋)が、この象は元・サーカスの芸象だったのを聞いて「木遣り音頭」を演奏した。すると、あれほど動かなかった象が、そろりそろりと歩き出し、松屋町筋から一心寺にかけての道を、10時間かけての引っ越しは、成功した。
が、しかし、象が動かなかったのには理由(わけ)があった・・・
というような物語なんです。